戦後から現在までは、まだ60年である。戦後に開発された住宅街については、いま現在、人気があり評価が高くても、今後も大丈夫とはいいきれない。明治維新からでようやく150年。江戸開府からは、400年である。現在、定評を得ている都心の人気優良住宅地とは、江戸時代からの武家屋敷エリアか、山手線が開通してから始まった初期の郊外エリア(松濤、代官山など)がほとんどだ。つまり、100年の風雪に耐えてきた街として実績があるのは、そんなエリアだけなのだ。逆にいえば、東京のほとんどの街は、生まれたばかりの赤ん坊であり、その将来性は予測しにくい。しかし、過去の履歴を調べることによって、推定することは可能だ。東京の街は、この400年、地震、大火、爆撃など、ありとあらゆる災難に耐えてきた。そして、その都度、街は変化し、成長も、衰退も、経験してきた。そういうプロセスを経てタフな街に鍛え上げられてきたところは、実は限られている。その陰で、衰退、消滅していった街の多いことも忘れてはならない。街とは、そういうものである。だからこそ、街の未来を統計だけで捉えるのには限界がある。
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