ある不動産屋が「もう少し電車に乗って、湖北まで行ったらどうか」というのです。「コホク?」「ええ、成田線で我孫子の次の次です」「成田線ねえ」これまた私にとってはイメージのあまりかんばしからざる田舎の電車です。それでも駅から歩いて十二分、土地が三三三平米(一〇一坪)も付いているというのが魅力で、案内してもらうことにしました。そこは日本住宅公団が分譲した土地で、築四年の中古平屋住宅(洋六、和六、六、DK六)つき。
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タイムラグがあるので現在の価格と比較しにくいのですが、数年前で二一○○万円。予算を一〇〇万円オーバーしましたが、普通のサラリーマンがおいそれとは入手できない一〇〇坪の敷地につられて、結局買うことに決めました。知人たちはその安さに、地元の人はその高さに、まさに正反対の驚きを示しました。建物を除いて土地だけの評価なら、ほぼ二〇万円が当時の相場でしたから、建物はタダで貰ったようなものです。しかしこの近辺は、公団が五年前に分譲したときは坪三万円程、この公団は地元の人々から坪三〇〇円から二〇○○円ほどで買ったという話です。私が越してから半年後には、坪二二万円になり、一年たったら二五万円。そしていまでは坪四七万円になりました。それでも成田空港まで四十分で行けるせいか、パイロットをはじめとする航空関係者の“豪邸”が次々に建っています。